外国人が日本の高校受験をする方法

「中国に住んでいる中学3年生が、日本の高校受験をしたいです」、とのご相談をいただきました。

中国の中学校を6月に卒業した後、日本に来て日本語を学び、12月~2月に、日本の高校を受験するための、ビザ相談と、学校選択のご相談です。

まず、そもそも、中国に住んでいる中国人が日本の高校を受験できるのでしょうか?

私立高校の場合は、受験は可能です(公立高校は無理です)

ただし、日本人の生徒達と同じ入試問題を解く形(一般入試)になります。そのため、相当な日本語力が必要になります。

例外的に、学校によっては、英語で受験できる高校もあります。

三重県の海星高校ダブルディプロマ科は、英語で受験できます。カナダの高校と日本の高校の、両方の卒業資格がもらえます。英語力は、英語でディベートができるくらいハイレベルが要求されます(口頭テストあり)。また、日本語の国語と数学の試験もあります。これは、入学後に、授業についていけるかどうかを判断します(一般入試よりは簡単です)

公立高校は受験できません。

公立高校の受験資格は、

①日本に、親と子が共に、ビザを取得して生活している(短期滞在ビザ不可)、

②入学後も、親と一緒に生活することが条件です。

次に、日本の私立高校を受験する際の手続き面について、

中国の学校に、調査書を書いてもらう必要があります。そのため、中国の学校と日本の学校での、やりとりが必要になり、手続きが煩雑です。翻訳も必要です。

そのため、海外の中学校を卒業後に、いったん日本の中学に編入(教育委員会に要相談)して、日本の中学を卒業して、日本の高校を受験する形にした方が、手続きはスムーズです。

日本の中学に編入すると、三重県四日市市の場合、「いずみ教室」という日本語の初期指導が受けれる集合クラスがあります。ここで、無料で日本語を勉強することができます。

※注意:中国の場合は、卒業時に16歳になっているため、日本の中学に編入はできません。

日本の中学に編入する場合、ビザはどうなるのか?

家族滞在ビザや定住者ビザを持っている方は問題ないですが、短期滞在ビザで日本に来た方が、これから留学ビザを取得するためには、学校の入学許可証が必要になります。

学校側は、留学ビザ取得サポートはしてくれませんので、自分達で申請することになります。

もし留学ビザを取得できなければ、入学はできません。

日本語学校に入学するという選択肢

まだ高校を卒業していない人は、「留学ビザ」で、日本語学校に入学することはできません。

ただし、「短期滞在ビザ」で来日して、日本語学校の短期コースに入学するということは可能です(学校によります)

授業料が、1か月で約5万円と入学金が必要になります。また、できれば入学時に、N5相当の日本語力がある方が望ましいです。

短期滞在ビザの場合、原則、更新ができません。いったん帰国して1~2か月経たないと日本に入国できないこともあります。そのため、受験シーズンに、日本に入国できるよう、逆算して短期滞在ビザの申請をする必要があります。

高校卒業後の大学入試について、

日本の学校を卒業すると、大学入試で、「留学生枠」を使えなくなるため、注意が必要です。もし有名私立大学を留学生枠で受験したい場合は、大学から日本に来る方が望ましいです。(友人の日本語教師の先生にお聞きしました)

教育に関しては、様々な選択肢があります。しっかり調べていただき、お子さんの可能性を最大限に引き出せる道を選んでいただきたいと思います。

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この記事を書いた人

早稲田大学卒業後、シンガポール・マレーシアで学習塾講師。帰国後、行政書士事務所を開設。外国人のビザ相談など国際業務全般、民泊サポート、相続・遺言サポートをしています。

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