ミャンマー人同士の離婚手続き

日本に住んでいるミャンマー人の夫婦から、協議離婚の手続きについて、

「日本の市役所に、離婚届を提出すれば、離婚できますか?」とのご質問をいただきました。

①日本人とミャンマー人(外国人)の場合は、日本の市役所に離婚届を提出すれば離婚できます。

日本人同士が離婚する際と、同じ手続きです。(法適用に関する通則法27条但書・日本人条項)

②ミャンマー人同士が離婚する場合は、やや複雑になります。

離婚に関する準拠法について、通則法27条・25条は、段階的連結を採用し、

夫婦の本国法が同一のときは、本国法による、と定めています。

そのため、ミャンマー人同士が離婚する場合は、ミャンマー民法が適用されます。

準拠法は、ミャンマー法になります

ミャンマーでは、離婚については、宗教や民族、地域によって異なる法制度が採られています。

もし、ミャンマー家庭裁判所に離婚請求が必要な場合は、日本の市役所に離婚届を出す形では、離婚できません。

外国法は、日本法と異なり、離婚に裁判所の関与が必要な国が多いです。そのような場合は、実務上、日本の家庭裁判

所に調停や審判を申し立てることで離婚を成立させる場合が多いです。(手続は法廷地法によるの原則・手続代行可能性の問題)

さらに、裁判離婚が必要な場合は、国際裁判管轄の問題も生じます。人事訴訟法では、被告の住所が日本にある場合は、日本に国際裁判管轄が認められます。

そのため、ミャンマー人夫婦が、日本に住んでいるなら、日本の家庭裁判所で、調停・審判の申し立てをすることで、離婚できることになります。

これに対して、離婚について裁判所の関与が不要な場合は、より簡単に離婚できます。出身の地域や宗教によっては、裁判所は不要で、両親、地区長の面前で離婚する意思を表示して、承認を得れば離婚できる地域もあります。また面前でなくとも、オンラインでも可能な場合もあります。日本の市役所への届出も不要な場合もあります。

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この記事を書いた人

早稲田大学卒業後、シンガポール・マレーシアで学習塾講師。帰国後、行政書士事務所を開設。外国人のビザ相談など国際業務全般、民泊サポート、相続・遺言サポートをしています。

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